希少伝統工芸:琴

加賀百万石の絢爛さを物語る

正倉院の宝物帳に、琴・箏の収められた記録があることから見ても、その起源は天平勝宝8年(756)にまでさかのぼると推定できよう。長い桐の板を張り合わせ、中空の胴の上面に十三弦を張る。金沢における琴の普及は、藩政時代に入って藩主の夫人、姫君を初めとし、武家の女性の教養の一つとして琴が数えられ、横山家伝来の美しい飾りの琴が残されていることからもうかがえる。明治以後も、その伝統は城下町金沢の女性のたしなみとして生活に根差していった。また需要も多く、市内にも桐の木が植えられ、白山桐の存在もあって、蒔絵や螺鈿を施すなどの美術品的な琴も製造されている。戦中、一時の中断期を経て、戦後は邦楽の普及とともに琴の人気が高まっていったが、演奏者の中央直結の関係が強まると、楽器にも高い技術水準が求められ、中央での購入が多くなった。その結果、地方では中央で製作された品を受けて販売する店舗に転じていった。現在では原木の購入から一貫して製造する業者は少なくなっている。

琴の商品紹介

製造工程

琴の制作工程