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概要

ステキ Vol.18

大切な時をかざる国内唯一の産地となった金箔の輝き金沢箔一ミリの薄さまで延ばす極限の技で、い湿度の高い気候であること、さらにの小片を紙の間に挟み、ひたすら打ちの存在があることも、金沢が国内唯一の箔産地となった要因だといえます。の公認を得たのは幕末も近いころ。その後、明治維新を経て、金を一万分のでは百万石の大藩の需要を満たすたや美術品など国の文化財の修復に使にも使用されています。ること、静電気を嫌う金箔を扱いやすよって統制されていましたが、加賀藩め、密かに金箔を打ち続けたとも言わした。製法に目を向けると、金箔は金れています。加賀藩が晴れて金箔打ちわれる一方で、生活を彩る品々の装飾なる和紙作りに適した良質の水があ丁寧で緻密な作業をいとわない職人延ばすことで作られます。製箔の要と継がれてきた「金沢箔」は現在、建築物金沢は他産地をしのぐ存在となりま四〇〇年の時を超えて連綿と受け江戸時代、金銀箔の生産は幕府にの節目を意識させ、日本的な暮らしがちな今のライフスタイル。金箔の晴れやかな輝きは、家族のきずなや人生ともすれば均質でフラットになり「家族が集まる日、すこし特別な日に、金箔の輝きをしつらいに添えてもらえれば」と話すのは、金箔工芸田じまの田島社長。人生には、淡々とした日常を刻む日があれば、節目となるハレの日もあります。金色のきらめきは、高揚感を呼び覚まし、ハレの日の鮮やかな記憶となって、日常を生きる支えとなります。【品質】一万分の一ミリは、向こう側が透けて見えるくらいの薄さ。指先でこすると跡形もなく消えてしまいます。永遠の輝きとはかなさという相反する要素を持つのは、金箔ならではの魅力です。【製造工程】伝統的な手漉きの箔打ち紙で打たれた金箔は「縁付金箔」と呼ばれ、国の選定保存技術に選定されています。金本来の輝きをそのままに極限の薄さにまで延ばしていくには、職人の大きな労力と高度な技が必要です。これだけ科学が発達した今も、手仕事の精度を工業技術が上回ることはできません。のメリハリを呼び覚ましてくれるでしょう。絢爛豪華な文化が育まれた加賀藩。金箔は、建築物や仏壇・仏具、多彩な工芸品の装飾性を高める資材としてなくてはならないものでした。色つやと風合いに優れた金沢箔は現在、世界遺産・日光東照宮の修復にも使用されています。11 suteki