ブックタイトルステキ Vol.16

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概要

ステキ Vol.16

金沢には今もさまざまな伝統工芸が息づいています。それは加賀藩が工芸振興に力を入れ、京都や江戸から名工を招くなどしてしっかり根付かせたから。また藩の庇ひ護ごと振興もあり、町人にまで茶の湯文化が浸透するなど、市民が伝統工芸を守り、育む環境が整って金沢の茶道を支えてきた大樋焼。大きな特色である飴色の釉ゆうやく薬には雪国にふさわしい素朴で温かい味があります。現在では茶碗、水指、花入のほか食器なども作られています。茶道の盛んな金沢で脈々と受け継がれてきた茶の湯釜。その形は時代とともに変化し、現代にマッチした新しい型も生み出され、全国の茶道家から高い人気を誇っています。茶席で亭主が客人を招く際の合図として使われる銅鑼。形や曲線、厚さなど、すべてが抜群の音響効果を出すように工夫された伝統の技がいまも脈々と受け継がれています。鐙あぶみや鍔つばといった武具の装飾技術から発達し、実用性とデザインの美しさで定評がある加賀象嵌。現代では香合や花器、アクセサリーなどにその技法が生かされています。良質の桐材と、ろくろ木地師の技、華麗な加賀蒔絵の伝統が育んだ金沢桐工芸。耐湿、耐火性に優れる桐の特性を生かして桐火鉢や花器、灰皿、菓子器などが生産されています。茶道や華道の隆盛とともに発展してきた竹工芸。近年は竹の長所を生かした網代編みを主体とした高度な模様編みの茶道具や花器などが作られ、伝統をいまに継承しています。大樋焼茶の湯釜銅ど鑼ら加賀象ぞうがん嵌桐工芸竹工芸いたため、明治維新後も数々の伝統工芸が残ったのです。金沢で受け継がれてきた伝統工芸品は、いずれも繊細な手仕事で生み出されており、中には気軽に買える価格の商品のほか、現代の暮らしに合わせたものもあります。希少伝統工芸加賀藩ゆかりの技をつなぐつなぐ物語七s u t e k i 22